第105回午後問題104

次の文を読み103~105の問いに答えよ。
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb13.9g/dL、Ht44%、白血球9,500/μL、尿素窒素31mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、Na141mEq/L、K4.8mEq/L、Cl94mEq/L、随時血糖900mg/dL。動脈血ガス分析は、pH7.21、BE-12.3、HCO3-10.9mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病の疑いで入院した。

Aちゃんは、インスリンの持続的な注入を開始し、3日後、血糖値が安定した。1型糖尿病と診断が確定しインスリン自己注射を始めることになった。ペン型注入器を用いて、毎食前に超速効型インスリンの皮下注射、21時に持効型溶解インスリンの皮下注射を行うという指示が出ている。Aちゃんと両親に対するインスリン自己注射の指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. インスリンを注射する部位は前回と違う部位に行う。
  2. 超速効型インスリンは単位数を変更せずに注射する。
  3. 食欲がないときは食後に超速効型インスリンを注射する。
  4. 血糖値が100mg/dL以下のときは持効型溶解インスリンの注射を中止する。
  5. インスリンの注射をした後は針を刺した場所をよくもむ。

正解 1,3

  1. インスリンを注射する部位は前回と違う部位に行う。
    • インスリン注射を同じ部位に繰り返すと吸収が悪くなるため、注射する部位は前回と違う部位にする。
  2. 超速効型インスリンは単位数を変更せずに注射する。
    • 超速効型インスリンは、食事量や血糖値によって単位数を変更する。
  3. 食欲がないときは食後に超速効型インスリンを注射する。
    • 食欲がないときは、食事量に合わせて食後に超速効型インスリンを注射する。
  4. 血糖値が100mg/dL以下のときは持効型溶解インスリンの注射を中止する。
    • 注射は中止しない。
  5. インスリンの注射をした後は針を刺した場所をよくもむ。
    • 注射した場所をもむと吸収が早まり低血糖になる可能性があるため、もんではならない。
  • 前の問題へ
  • 問題一覧へ
  • 次の問題へ