第104回午後問題98

次の文を読み97~99の問いに答えよ。
Aさん(68歳、女性)は、2年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を1日30本から5本に減らし、飲酒を週3回から1回に減らした。また、減量に取り組み、2年間でBMIが25.5から22.9に変化した。Aさんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症と診断された。Aさんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。1人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。

Aさんの現在の移動能力をアセスメントする方法として適切なのはどれか。

  1. 開眼片脚起立時間
  2. Borg(ボルグ)スケール
  3. Katz(カッツ)インデックス
  4. 手段的日常生活動作(IADL)

正解 4(厚生労働省発表では採点除外)

  1. 開眼片脚起立時間
    • 開眼片脚起立時間は、下肢筋力やバランス能力の評価指標となる。
  2. Borg(ボルグ)スケール
    • ボルグスケールは、主観的運動強度の評価指標である。
  3. Katz(カッツ)インデックス
    • カッツインデックスは、入浴、更衣、トイレ、移乗、排尿・排便自制、食事の6つの領域のADLに関して評価する。自立の可否を評価するものであり、移動能力について細かく評価することはできない。
  4. 手段的日常生活動作(IADL)
    • 手段的日常生活動作は、日常生活を送る上で必要な動作のうち、ADLより複雑で高次な動作(電話の使い方、買い物、食事の支度、家事、洗濯、移動・外出、服薬管理、金銭管理など)を評価する。移動について何ができて何ができないかを評価できるため、選択肢の中で最も適しているが、厚生労働省の発表では、設問の状況設定が不十分で正解が得られないという理由で採点除外問題となっている。
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