第99回看護師国家試験一般問題・状況設定問題解説(午前問題26〜46)

【問題26】 水・電解質の調節で正しいのはどれか。

正解 1

  1. 循環血漿量の減少はレニンの分泌を増加させる。
    • 循環血漿量低下にともない腎血流量が低下するため、傍糸球体細胞を刺激してレニンの分泌が増加する。レニンは血中のアンギオテンシノーゲンに作用し、アンギオテンシンI(AI)を遊離する。AIは血管内皮細胞膜にあるアンギオテンシン変換酵素(ACE)によりアンギオテンシンII(AII)に変換される。AIIは強力な血管収縮作用があり、血圧を上昇させる。また、AIIは副腎にも作用してアルドステロンの生成・分泌を促進させ、血圧を上昇させる。
  2. 抗利尿ホルモン(ADH)は尿浸透圧を低下させる。
    • 抗利尿ホルモンは排出器官系の水の再吸収を促進して、尿量の減少や尿浸透圧の上昇にはたらく。
  3. 過剰な飲水は血中ナトリウム濃度を上昇させる。
    • 過剰な飲水は血中ナトリウム濃度を低下させる。
  4. アルドステロンは腎からのカリウム排泄を減少させる。
    • アルドステロンは、尿細管に作用して体内にナトリウムや水の再吸収とカリウム排泄を促進させるはたらきがある。過剰に分泌されると体内の水分が増加し、血圧が上昇してレニン分泌が抑制される。

【問題27】 状態とそれによって分泌が促進されるホルモンの組合せで正しいのはどれか。

正解 4

  1. 血糖値上昇――成長ホルモン
    • 血糖値が低下すると、成長ホルモンは肝臓でのグリコーゲン分解を促し、血糖値を上昇させ、血糖値を一定に保つ。
  2. 血清カルシウム値低下――カルシトニン
    • カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンである。カルシトニンは血清カルシウム値の上昇により分泌促進され、骨吸収(破骨細胞が古い骨を溶かす)を抑制し、血清カルシウム値を低下させる。
  3. ヨード摂取過剰――甲状腺ホルモン
    • ヨードの過剰摂取は、甲状腺機能を低下させ、甲状腺ホルモンの生成を抑制することがある。ただし、甲状腺に異常のない人の場合は、ヨードの過剰摂取で一時的に甲状腺機能が低下しても、再び甲状腺機能が戻る。
  4. ナトリウム摂取不足――アルドステロン
    • ナトリウムの摂取不足により血中ナトリウム濃度が低下すると、アルドステロンの分泌が促進され、腎臓におけるナトリウムの再吸収が促される。

【問題28】 脂肪分解の過剰で血中に増加するのはどれか。

正解 2

  1. 尿素窒素
    • 尿素窒素とは、血液中に含まれる窒素のうち尿素に由来するもののことである。尿素は蛋白質の終末代謝産物であり、肝臓で合成され、腎臓から排泄される。血中の尿素の量は血液尿素窒素(BUN)で表され、蛋白摂取量、蛋白代謝量、腎機能の3因子によって規定される。腎機能が低下すると、血液中の尿素窒素をうまくろ過・排泄できないため、この値が高くなる。
  2. ケトン体
    • 脂肪代謝で生じるアセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸の総称をケトン体という。ケトン体は脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に出される。血流によって心臓や腎臓、筋肉に運ばれ、細胞内でアセチルCoAに変換され、TCA回路で代謝されてエネルギー源となる。
  3. アルブミン
    • アルブミンは血漿蛋白のうち約60%を占めており、血管中の血液量や体内での水分の量を調整する働きを持つ。アミノ酸を原料として肝臓で一日に6g〜12g作られ、14〜18日間(半減期)体内で働いた後、多くは筋肉や皮膚において分解される。
  4. アンモニア
    • アンモニアは蛋白質の代謝の過程で産生され、肝臓で尿素へ代謝され腎臓から排泄される。

【問題29】 嚥下障害の患者に食事を再開する場合の開始食で適切なのはどれか。

正解 1

  1. プリン
    • プリンはとろみがあり、噛み切りやすいため適している。
  2. こんにゃく
    • こんにゃくは噛み切りにくいので適切でない。。
  3. 野菜きざみ食
    • 野菜きざみ食はとろみが少なく適切でない。
  4. コンソメスープ
    • コンソメスープは流動性があり、誤嚥しやすい。とろみも少ないため適切でない。

【問題30】 疾患とその原因の組合せで正しいのはどれか。

正解 4

  1. 糸球体腎炎――伝染性紅斑
    • 糸球体腎炎は、腎炎の中でも糸球体に炎症反応が認められるものであり、急性と慢性に大別される。多くはA群β溶血性連鎖球菌感染症後に発症する。伝染性紅斑は別名リンゴ病とも呼ばれ、ヒトパルボウイルスB19の初感染により発症し、顔面の蝶形紅斑、頭痛、掻痒感、発熱、関節炎、筋肉痛などを伴う。
  2. 突発性難聴――中耳炎
    • 突発性難聴は原因不明の感音性難聴で、特定疾患に指定されている難病(特定疾患治療研究事業の対象ではない)であり、耳鳴りやめまい、吐き気などが生じる。中耳炎では伝音性難聴が起こる。
  3. メラノーマ――赤外線
    • メラノーマとはメラノサイト(皮膚に色調を与える細胞)が悪性化したもので、悪性黒色腫と呼ばれる皮膚がんの一種である。白人に多く、紫外線照射などがリスク因子となる。赤外線は眼障害や皮膚障害などを引き起こすことがある。
  4. 末梢性顔面神経麻痺――帯状疱疹ウイルス
    • 顔面神経麻痺には中枢性と末梢性とがあり、前者は脳腫瘍、脳梗塞等の合併症に見られることが多い。末梢性顔面神経麻痺のうち、原因が明らかでない特発性のものをベル麻痺といい、帯状疱疹ウイルスによるものをハント症候群という。

【問題31】 貧血で正しいのはどれか。

正解 1

  1. 再生不良性貧血では易感染症がみられる。
    • 再生不良性貧血とは、骨髄における血球産生が低下し、赤血球、白血球、血小板のすべてが低下する汎血球減少症であり、白血球減少による易感染性や血小板減少による出血傾向がみられる。ほとんどが原因不明の特発性であるが、放射線や化学物質、薬物、ウイルスが原因になることもある。また、先天性のものはファンコニ貧血と呼ばれる。
  2. 溶血性貧血では直接ビリルビンが増加する。
    • 溶血性貧血とは赤血球が破壊されて起こる貧血である。間接ビリルビンが増加することにより、通常の貧血症状に加えて、黄疸がみられることがある。
  3. 鉄欠乏性貧血では血清フェリチンが増加する。
    • 鉄欠乏性貧血とは生体内で鉄が欠乏し、ヘモグロビンの合成が十分に行われないために起こる貧血で、日常最も多くみられる貧血である。フェリチン(貯蔵鉄)、血清鉄の減少がヘモグロビンの減少につながる。
  4. 悪性貧血では通常赤血球以外の血球系は保たれる。
    • 悪性貧血とは巨赤芽球性貧血の一種で、ビタミンB12の吸収障害により起こる。ビタミンB12の欠乏により細胞の核酸合成障害が起こり、赤血球に加え、白血球や血小板にも障害が及び、汎血球減少症となる。通常の貧血症状の他に、手足のしびれ、感覚低下などの神経症状や食欲不振、悪心、便秘などの消化器症状も起こる。

【問題32】 じんま疹のアレルギーのタイプはどれか。

正解 1

アレルギーはクームスの分類によって4つのタイプに分類されている。

  1. I型
    • I型アレルギーの場合、体内に抗原(アレルゲン)が侵入すると、IgE抗体が産生され、皮膚や粘膜にある肥満細胞にある受容体と結びつく。再び体内に抗原が侵入すると、抗原はIgE抗体と結びつき、IgE抗体が反応して、さまざまなアレルギー症状を引き起こす。じんま疹や気管支喘息、アレルギー性鼻炎、胃腸アレルギーなどがこのタイプであり、短時間で症状が現れるため、「即時型アレルギー」とも呼ばれる。
  2. II型
    • II型アレルギーは、「細胞障害型アレルギー 」とも呼ばれ、自身の細胞が抗原となり、抗体が作られ反応を起こす自己免疫病である。血液型不適合反応、血小板減少症、新生児溶血性黄疸などがこのタイプである。
  3. III型
    • III型アレルギーは、「免疫複合体型アレルギー」とも呼ばれ、抗原と抗体が結合してできた免疫複合体が各組織に付着して障害を起こす。抗原にはカビやウイルス、ペニシリンなどの薬品があり、血清病や腎炎、肺炎、関節リウマチ、肝炎などがこのタイプである。
  4. IV型
    • IV型アレルギーは、症状がでるまで時間がかかり、「遅延型アレルギー」とも呼ばれる。I〜III型とは異なり、T細胞(リンパ球)が、抗原に対して反応して起こるアレルギーである。接触性皮膚炎や臓器移植の際の拒絶反応などがこのタイプである。

【問題33】 ネフローゼ症候群で必ずみられるのはどれか。

正解 3

ネフローゼ症候群とは糸球体から多量の蛋白が尿中に漏れ、血清蛋白が減少し、浮腫が出現する疾患である。

  1. 血尿
  2. 体重減少
  3. 低蛋白血症
    • ネフローゼ症候群の診断基準は、尿蛋白量、低蛋白血症、高脂血症、浮腫の4つであり、成人と小児では診断基準が異なる。
      成人の場合の診断基準は、
      尿蛋白量:1日の尿蛋白量が3.5gを持続する
      低蛋白血症:血清総蛋白量が6.0g/dl以下(血清アルブミン量3.0g/dl以下)
      高脂血症:血清総コレステロール値250mg/dl以上
      浮腫:あり
  4. 低コレステロール血症

【問題34】 2007年の国民生活基礎調査の概況による主な介護者の状況で正しいのはどれか。

正解 4

  1. 子が最も多い。
    • 主な介護者で最も多いのは、配偶者で25.0%である。子は2番目に多く、17.9%である。
  2. 同居よりも別居が多い。
    • 同居している家族等介護者が60.0%で、別居の家族は10.7%である。
  3. 男女別にみると男性が全体の40%である。
    • 男女別では、男性が28.1%で女性が71.9%である。
  4. 70歳以上が男女ともに4分の1以上を占める。
    • 男性は70歳以上が40.9%、女性は31.5%で、男女ともに4分の1以上を占めている。

【問題35】 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)に、2004年の改正で新たに加えられたのはどれか。

正解 2

DV防止法は2001年より施行され、2004年と2007年に法改正が行われている。

  1. 離婚調停支援
    • 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」の中で、配偶者暴力相談支援センターの取り組みとして、離婚調停手続についての相談対応、法律相談窓口の紹介などが規定されている。
  2. 暴力被害者の自立支援
    • 2004年の改正により、被害者の自立支援の明確化、「配偶者からの暴力」の定義の拡大(身体的な暴力だけでなく精神的な暴力も含める)、保護命令制度の拡充(元配偶者から暴力を受けた者や被害者の子も対象となる)、市町村における配偶者暴力相談支援センターの業務の実施などが規定された。
  3. 暴力被害者への接近禁止
    • 暴力被害者への接近禁止については、2001年の法施行時より規定されている。2004年の改正により、被害者だけでなく、被害者と同居する子についても接近禁止命令を出すことが可能になった。また、加害者の対象として元配偶者も含まれるようになった。尚、2007年の改正では、保護命令の対象が、生命等に対する脅迫を受けた者及び被害者の親族等へも拡大され、電話・ファクシミリ・手紙・メール等によるつきまとい行為等も禁止命令の対象となった。
  4. 地域のDVシェルターの建設推進
    • 「男女共同参画基本計画」の中で、「配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等の推進」が計画の一つとして取り上げられている。DVシェルターとは、DV防止法に基づくDV被害女性とその家族が、適当な宿泊先がなく、被害が及ぶことを防ぐため緊急に保護することが必要と認められる場合であって、自立に向けた援助が有効であると認められた場合等に一時保護する施設である。

【問題36】 組合せで正しいのはどれか。

正解 1

  1. WHO憲章――健康の定義
    • WHO憲章では、「健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」という健康の定義が謳われている。
  2. アルマ・アタ宣言――医学研究の倫理
    • アルマ・アタ宣言は、1978年にWHOが採択した、プライマリヘルスケアに関する宣言である。健康であることを基本的な人権として認め、全ての人が健康になること、そのために地域住民を主体とし、人々の最も重要なニーズに応え、問題を住民自らの力で総合的かつ平等に解決していくアプローチをプライマリヘルスケアという。
  3. ヘルシンキ宣言――ヘルスプロモーション
    • ヘルシンキ宣言は、1964年に世界医師会が採択した、医学研究の倫理的原則に関する宣言である。
  4. オタワ憲章――プライマリヘルスケア
    • 1986年、WHOのオタワ憲章においては、ヘルスプロモーションが提唱された。ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康をコントロールし改善することができるようにするプロセスである。

【問題37】 特定疾患治療研究事業の対象疾患で正しいのはどれか。

正解 3

  1. 原因は判明している。
    • 対象疾患は、原因不明のものである。
  2. 治療方法は確立している。
    • 対象疾患は、治療方法が未確立のものである。
  3. 医療費の公費負担がある。
    • 自己負担分の一部を国と都道府県が公費負担として助成している。
  4. 平成20年4月現在の対象疾患数は123である。
    • 対象疾患数は56である。(平成22年4月現在)

【問題38】 産前産後の休業が規定されているのはどれか。

正解 1

  1. 労働基準法
    • 産前産後の休業は、労働基準法に規定されている。6週間以内に出産予定の女性が休業を請求した場合は就業させてはならない。また、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、医師が支障がないと認めた業務に就かせることはできる。
  2. 職業安定法
    • 公共職業安定所をはじめとする職業安定機関が労働者に就業の機会を与え、産業に必要な労働力を提供することを目的とした法律であり、職業紹介に関して規定されている。
  3. 母体保護法
    • 母性の生命や健康の保護を目的とした法律であり、不妊手術や人工妊娠中絶に関する事項を定めたものである。
  4. 労働安全衛生法
    • 労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的に施行された法律である。危険防止基準の確立(危険・健康障害を防止するために事業者に一定の義務を負わせる等)、事業場内における責任体制の明確化(衛生管理者、総括安全衛生管理者等の選任・届出等)、事業者の自主的活動の促進などについて規定されている。

【問題39】 看護師の対応で適切なのはどれか。

正解 3

  1. 多床室で、ベッド上で排便中の患者からのナースコールに「出ましたか」とインターホン越しに尋ねた。
    • 看護者の倫理綱領に「看護者は、人間の生命、人間としての尊厳及び権利を尊重する」とある。排泄に関する援助は、特に尊厳に留意しなければならない。
  2. 患者に病気の診断名について説明をしていた医師に緊急連絡が入り席を立ったので、代わりに説明をした。
    • 保健師助産師看護師法によると、看護師の業務は、療養上の世話又は診療の補助を行うことである。診断名の説明は含まれない。
  3. エネルギー摂取制限があるにもかかわらずケーキを食べていた患者から「これ1回だけだから誰にも言わないで」と言われたが、患者の許可を得て担当のスタッフに報告した。
    • 看護者の倫理綱領に「看護者は、守秘義務を遵守し、個人情報の保護に努めるとともに、これを他者と共有する場合は適切な判断のもとに行う」とある。医療関係者間において情報を共有する場合も、患者本人の承諾を得るように努める必要がある。
  4. 高齢患者の家族から「自分で着替えなくなるから寝衣は換えないように」と言われたのでそのとおりにした。
    • 家族からの依頼があったとしても、必要な援助は行わなければならない。また、援助が必要であることを家族に対して説明することも重要である。

【問題40】 腹部の触診で適切なのはどれか。

正解 4

  1. 聴診の前に実施する。
    • 視診→聴診→打診→触診の順番で進めるのが一般的である。触診を先に行うと、腸管運動に変化が起こる可能性がある。
  2. 仰臥位で膝を伸展させる。
    • 腹壁に緊張がかからないようにするため、仰臥位で膝を屈曲させて行う。
  3. 深いところから徐々に浅く触れる。
    • 浅い触診→深い触診の順番で行う。
  4. 疼痛のある部位は最後に触れる。
    • 防御反応による所見への影響や疼痛の悪化などを避けるため、疼痛部位は最後に触れる。

【問題41】 消毒液の付いた綿球の受け渡しの図を示す。正しいのはどれか。

正解 1

受け取る側の鑷子がそれ以前の処置で汚染されている可能性があるため、渡す側の鑷子が上、受け取る側の鑷子が下になるように扱う。また、綿球を上向きに持つと、液体が清潔区域と不潔区域を行き来し汚染してしまうので、先端は水平以下に保つ。

  1. 第99回看護師国家試験一般問題解説41図1
    • 両者の鑷子が水平以下に保たれ、渡す側の鑷子が上、受け取る側の鑷子が下になっており、適切である。
  2. 第99回看護師国家試験一般問題解説41図2
    • 受け取る側の鑷子が上向きになっているので適切でない。
  3. 第99回看護師国家試験一般問題解説41図3
    • 渡す側の鑷子が上向きになっているので適切でない。
  4. 第99回看護師国家試験一般問題解説41図4
    • 両者の鑷子が上向きになっているので適切でない。

【問題42】 死亡後、硬直が始まる時間はどれか。

正解 2

死後、筋肉のATPが枯渇すると、アクチン・ミオシン(筋原線維の収縮蛋白)からアクトミオシンが生じて硬化する。

  1. 約15分
  2. 約2時間
    • 死後硬直は、環境温度等の影響を受けるが、通常死後2時間を経過してから徐々に始まる。脳から内臓、顎や首から始まり、半日程度で全身に及ぶ。30時間から40時間程度で徐々に硬直は解け始め、90時間後には完全に解ける。
  3. 約5時間
  4. 約8時間

【問題43】 1日のエネルギー所要量が2,300kcalの標準体型の40歳の男性。1日の脂肪摂取量で適切なのはどれか。

正解 2

総エネルギーに占める脂質のエネルギー比率が20〜25%が適正である。

  1. 35g
  2. 55g
    • 2,300kcalの20〜25%は460〜575kcalである。脂肪は1gで9kcalなので51.1〜63.9gがこの場合の適正摂取量である。
  3. 80g
  4. 100g

【問題44】 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)で正しいのはどれか。

正解 4

経皮的動脈血酸素飽和度はパルスオキシメーターを用いて測定する。指先や耳朶などの末梢にセンサーを装着し、侵襲せずに動脈血酸素飽和度と脈拍数を測定する。

  1. 末梢の循環状態に影響されない。
    • 末梢の血流低下などがある場合、正確に測定できない。
  2. 動脈血酸素分圧と等しい値になる。
    • 動脈血酸素分圧と等しい値にはならない。
  3. 皮膚組織の色が測定値に反映される。
    • 皮膚組織の色は測定値に反映されない。
  4. 動脈血中の酸素不足を早期発見できる。
    • 動脈血酸素飽和度は血液ガス検査で測定するが、経皮的動脈血酸素飽和度はそれに近似した値となるので、動脈血中の酸素不足を早期に発見できる。

【問題45】 米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)の分類で深達度がII度の褥瘡に対するケアで適切なのはどれか。

正解 2

NPUAPの分類ではステージI〜IVの4段階で表される。ステージIIは「スラフを伴わない、赤色または薄赤色の創底をもつ、浅い開放潰瘍として現れる真皮の部分欠損」である。

  1. 水疱はつぶす。
    • 創部の保護や感染の防御のためにも水疱はつぶしてはならない。
  2. 流水で洗浄する。
    • 洗浄により、創部に残った薬剤、膿、過剰の滲出液、細菌を洗い流すことができ、清潔を保持することができる。
  3. 創面の乾燥を保つ。
    • 乾燥は壊死や感染の原因となる。乾燥状態ではなく、湿潤状態を保たなければならない。
  4. 局所のマッサージをする。
    • 軟部組織の損傷と炎症が発生・悪化してしまうので、局所のマッサージはしてはならない。

【問題46】 注射で正しいのはどれか。

正解 2

  1. 皮内注射では神経の損傷の危険がある。
    • 皮内注射は、表皮と真皮の間に薬液を投与するため、皮膚面とほぼ平行な形で針を刺入する。そのため、神経の損傷の危険はない。
  2. 皮下注射では皮下組織とともに皮膚をつまみ上げて針を刺入する。
    • 皮下注射は、皮下組織に薬液を投与するため、皮膚をつまんで皮下組織を集めて針を刺入する。角度は10〜30度である。
  3. 筋肉内注射での針の刺入角度は皮膚とほぼ平行とする。
    • 筋肉内注射の針の刺入角度は45〜90度である。
  4. 静脈内注射では針を抜いた後、刺入部位をマッサージする。
    • 静脈内注射は15〜20度の角度で刺入する。静脈に針を刺しているので出血しやすいため、圧迫止血は行うがマッサージは行わない。

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