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第107回国家試験必修問題解説(午前問題1〜25)

【問題1】 平均寿命で正しいのはどれか。

正解 1

  1. 0歳の平均余命である。
    • 平均余命とは、その年齢の人が平均してあと何年生きられるかという統計値で、0歳の平均余命のことを平均寿命という。
  2. 20歳の平均余命である。
  3. 60歳の平均余命である。
  4. 死亡者の平均年齢である。

【問題2】 平成27年(2015年)の病院報告による一般病床の平均在院日数はどれか。

正解 2

  1. 6.5日
  2. 16.5日
    • 平成27年(2015年)の病院報告によると、一般病床の平均在院日数は16.5日である。
  3. 26.5日
  4. 36.5日

【問題3】 シックハウス症候群に関係する物質はどれか。

正解 4

  1. アスベスト
  2. ダイオキシン類
  3. 放射性セシウム
  4. ホルムアルデヒド
    • ホルムアルデヒドは、建築資材の接着剤などに含まれており、目まいや喉の痛みなどを引き起こすシックハウス症候群の原因となる。ホルムアルデヒドの水溶液はホルマリンである。

【問題4】 介護保険法に基づき設置されるのはどれか。

正解 3

  1. 老人福祉センター
    • 老人福祉センターは、老人福祉法に基づく老人福祉施設の一つで、無料又は低額な料金で、老人に関する各種の相談に応ずるとともに、老人に対して、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設である。
  2. 精神保健福祉センター
    • 精神保健福祉センターは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき各都道府県及び政令指定都市に設置され、精神保健福祉及び精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究、相談、指導、精神障害者保健福祉手帳の申請に対する判定業務などを行っている。
  3. 地域包括支援センター
    • 地域包括支援センターは、介護保険法の平成17年の改正により創設された。地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として機能している。
  4. 都道府県福祉人材センター
    • 都道府県福祉人材センターは、社会福祉法に基づき、都道府県知事の指定を受けて、福祉関係の人材確保と人材養成などの事業を進めるため、都道府県社会福祉協議会に設置されている。

【問題5】 QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。

正解 2

  1. 高度医療の受療
  2. 本人の満足感
    • QOL(クオリティ・オブ・ライフ)は、患者の生命と生活の質のことであり、患者中心の医療の基礎となる概念である。治療等が患者の生活にとって意味のあることなのかを考える必要があり、患者自身の満足度が最も重要である。
  3. 乳児死亡率
  4. 生存期間

【問題6】 原始反射はどれか。

正解 1

  1. 手掌把握反射
    • 手掌、足底を圧迫すると反射的に把握するものである。出生時からみられ、手掌把握反射は生後5〜6か月頃、足底把握反射は生後9か月頃(独歩確立前)に消失する。
  2. 視性立ち直り反射
    • 児の身体を左右に傾けると頭を垂直にしようとする反射である。生後6か月頃からみられる。
  3. パラシュート反射
    • 児の両脇を支え、水平にして突然頭を下げると、上肢を前方に伸ばして身体を支えようとする反射である。生後8か月頃から生涯にわたりみられる。
  4. Landau(ランドー)反射
    • うつ伏せで児を水平に抱き、頭を挙げると体幹・下肢が伸展し、頭を屈曲すると体幹・下肢が屈曲する。生後3か月頃から2歳頃までにみられる。

【問題7】 思春期にみられる感情の特徴はどれか。

正解 4

  1. 情緒的に安定し穏やかになる。
    • 情緒的に不安定な時期である。
  2. 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
    • 幼児期の特徴である。
  3. 親に対して強い愛情表現を示す。
    • 乳児期の特徴である。
  4. 依存と独立のアンビバレント(両価的)な感情をもつ。
    • アンビバレントとは、ある対象に対して相反する感情を同時に抱くことで、思春期にみられる特徴である。

【問題8】 老年期の身体的な特徴はどれか。

正解 4

  1. 総水分量が増加する。
    • 老年期では、総水分量は減少する。
  2. 胸腺の重量が増加する。
    • 老年期では、胸腺の重量は減少する。
  3. 嗅覚の閾値が低下する。
    • 老年期では、嗅覚の閾値が上昇する。
  4. 高音域における聴力が低下する。
    • 老年期では、聴力が高音域から低下する。

【問題9】 一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者[  ]人に対して看護師及び准看護師1人と法令で定められている。[  ]に入るのはどれか。

正解 2

  1. 2
  2. 3
    • 一般病床では、入院患者3人に対して看護師及び准看護師1人を配置する。
  3. 4
  4. 6

【問題10】 嚥下に関わる脳神経はどれか。

正解 4

  1. 嗅神経
    • 嗅神経は、嗅覚を司り、においの刺激を中枢に伝える。
  2. 外転神経
    • 外転神経は、外側直筋を支配し、眼球の外転に関与する。
  3. 滑車神経
    • 滑車神経は、上斜筋を支配し、眼球運動に関与する。
  4. 迷走神経
    • 迷走神経は、頚部から胸部、腹部の内臓や血管などを支配し、嚥下や発声、消化管の蠕動運動などに関与する。

【問題11】 肝臓の機能で正しいのはどれか。

正解 3

  1. 胆汁の貯蔵
  2. 脂肪の吸収
  3. ホルモンの代謝
    • 肝臓の代謝機能として、糖代謝(グリコーゲン貯蔵、ブドウ糖合成)、蛋白代謝(アルブミン、フィブリノゲンなどの合成)、脂質代謝(コレステロール、リン脂質などの合成)、ホルモン代謝がある。尚、胆汁は肝臓で生成され、胆嚢で貯蔵される。
  4. 血漿蛋白質の分解

【問題12】 頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

正解 4

  1. 血尿
  2. 低体温
  3. 体重増加
  4. アルカローシス
    • 頻回の嘔吐による胃液の喪失により、代謝性アルカローシスが生じやすくなる。

【問題13】 関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

正解 2

  1. 脊髄障害
    • 脊髄障害では、障害部位から下の領域に感覚障害が起こる。
  2. 物理的圧迫
    • 物理的圧迫により障害を受けると、神経が支配している領域にしびれや感覚鈍麻などの感覚障害が現れる。
  3. 脳血管障害
    • 脳血管障害では、脳の損傷部位とは反対側に生じる片麻痺がみられる。
  4. 糖尿病の合併症
    • 糖尿病神経障害では、主に多発性神経障害がみられる。両足先や足底部の知覚障害から発症し、徐々に上方に進行する。

【問題14】 良性腫瘍と比較して悪性腫瘍でみられる特徴はどれか。

正解 2

  1. 被膜がある。
    • 良性腫瘍は被膜があるが、悪性腫瘍は被膜がない。
  2. 遠隔転移する。
    • 悪性腫瘍は遠隔転移する。
  3. 周囲組織に浸潤しない。
    • 良性腫瘍は周囲組織に浸潤しないが、悪性腫瘍は浸潤する。
  4. 増殖速度が緩やかである。
    • 良性腫瘍は増殖速度が緩やかであるが、悪性腫瘍は速やかである。

【問題15】 肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

正解 4

  1. CRP
    • CRP(C反応性蛋白)は炎症反応の指標である。正常な血液のなかにはごく微量しかみられないが、体内で炎症や組織細胞の破壊などが起こると肝臓で生産されて血液中に流れ出し、急激に増加する。
  2. 尿素窒素
    • 尿素窒素(BUN)は血中の尿素に含まれる窒素分である。尿素は蛋白質の終末代謝産物であり、肝臓で合成され、腎臓から排泄される。BUN値はクレアチニン値とともに腎機能、特に糸球体ろ過量の指標となり、高値の場合は腎機能障害の程度が分かる。
  3. アミラーゼ
    • アミラーゼとは、膵液や唾液に含まれる消化酵素である。膵臓に障害が起こると、血清や尿中のアミラーゼが高くなるので、膵疾患の指標となる。
  4. ALT(GPT)
    • ALT(GPT)は主に肝臓や腎臓に多く存在するアミノ基転移酵素である。特に肝細胞に多く含まれ、肝障害による細胞の変性、壊死によって血液中に流出し、値が上昇する。

【問題16】 排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。

正解 3

  1. バリウム
    • バリウムは造影剤として用いられる。バリウム検査後は便秘になりやすく、バリウムが腸内で固まると腸閉塞を起こす可能性があるため、検査後は下剤を使用したり、水分を多く摂取する。
  2. ヒマシ油
    • ヒマシ油は下剤としても用いられるが、経口摂取である。
  3. グリセリン
    • 50%グリセリン溶液が浣腸液として用いられる。
  4. エタノール
    • エタノールは殺菌や消毒などに用いられる。また、グリセリン浣腸液はエタノールと混和する。

【問題17】 他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか。

正解 4

  1. ヘパリン
    • ヘパリンは、他の医薬品と区別して貯蔵する必要はない。
  2. インスリン
    • インスリンは劇薬である。劇薬は他の医薬品と区別して貯蔵する必要があるが、鍵をかける必要はない。
  3. リドカイン
    • リドカインは劇薬である。他の医薬品と区別して貯蔵するが、鍵をかける必要はない。
  4. フェンタニル
    • フェンタニルは麻薬である。麻薬は他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管しなければならない。

【問題18】 面接時の質問方法でopen-ended question(開かれた質問)はどれか。

正解 4

  1. 「頭痛はありますか」
    • 閉じられた質問である。閉じられた質問(Close-ended question)とは、はい・いいえで答えられる質問や限定された答えが想定される質問である。
  2. 「昨晩は眠れましたか」
    • 閉じられた質問である。
  3. 「朝食は何を食べましたか」
    • 閉じられた質問である。
  4. 「退院後はどのように過ごしたいですか」
    • 開かれた質問である。開かれた質問は、様々な答えが想定できる質問のことをいう。

【問題19】 異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。

正解 1

  1. 笛のような音(笛音)
    • 高音性連続性副雑音である。細い気管支の狭窄を示唆しており、慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息などで聞かれる。
  2. いびきのような音(類鼾音)
    • 低音性連続性副雑音である。太い気管支の狭窄を示唆しており、慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息などで聞かれる。
  3. 耳元で髪をねじるような音(捻髪音)
    • 細かい断続性副雑音である。間質性肺炎などで聞かれる。
  4. ストローで水に空気を吹き込むような音(水泡音)
    • 粗い断続性副雑音である。気道内に分泌物が貯留している可能性があり、肺水腫、気管支拡張症、慢性気管支炎などで聞かれる。

【問題20】 患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

正解 3

  1. 第107回看護師国家試験必修問題解説20図1
  2. 第107回看護師国家試験必修問題解説20図2
  3. 第107回看護師国家試験必修問題解説20図3
    • 患者が移乗しやすいよう車椅子は健側に配置する。車椅子はベッドに対して15〜30度の角度を保つと良い。
  4. 第107回看護師国家試験必修問題解説20図4

【問題21】 経腸栄養剤の副作用(有害事象)はどれか。

正解 3

  1. 咳嗽
  2. 脱毛
  3. 下痢
    • 経腸栄養剤の副作用として下痢が多くみられる。原因は、栄養剤の細菌汚染、高浸透圧、速すぎる投与速度などである。
  4. 血尿

【問題22】 静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

正解 2

  1. 5%ブドウ糖
  2. 15%塩化カリウム
    • 高カリウム血症により不整脈、心停止をきたす危険性があるので、必ず希釈して用いる。
  3. 0.9%塩化ナトリウム
  4. 7%炭酸水素ナトリウム

【問題23】 充填された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

正解 2

  1. 横に倒して保管する。
    • 立てて保管し、転落・転倒を防止する措置を講じる。
  2. 保管場所は火気厳禁とする。
    • 高圧ガス保安法によって定められている。酸素ボンベの周囲2メートル以内では火気を使用せず、引火性、発火性の物は置かないこととする。
  3. バルブを開放して保管する。
    • バルブはしっかり閉めて保管する。
  4. 日当たりの良い場所で保管する。
    • 直射日光の当たらない場所で、常に温度を40℃以下に保つ。

【問題24】 褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。

正解 3

  1. ブリストルスケール
    • 便の性状分類である。
  2. Borg(ボルグ)スケール
    • 運動時の主観的負担度を数字で表したもの(自覚的運動強度)である。
  3. Braden(ブレーデン)スケール
    • 褥瘡が発生するリスクを評価する。知覚の認知、湿潤、活動性、可動性、栄養状態、摩擦とずれの6項目で構成される。
  4. グラスゴー・コーマ・スケール
    • 開眼、発語、運動機能の3項目をそれぞれに評価して、意識障害の重症度を表すものである。

【問題25】 平成26年(2014年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

正解 5

  1. 30〜39歳
  2. 40〜49歳
  3. 50〜59歳
  4. 60〜69歳
  5. 70歳以上
    • 平成26年において、運動習慣のある割合が最も高いのは男女共に70歳以上で、次いで60〜69歳である。

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