第105回国家試験必修問題解説(午前問題1〜25)
【問題1】 日本の平成25年(2013年)の生産年齢人口の構成割合に最も近いのはどれか。
正解 2
- 52%
- 62%
- 日本の平成25年の生産年齢人口(15〜64歳)は7901万人で、構成割合は62.1%であった。
- 72%
- 82%
【問題2】 運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。
正解 4
- 筋肉量の減少
- 運動習慣によって筋肉量は増加する。
- 体脂肪率の増加
- 体脂肪が燃焼するため、体脂肪率は減少する。
- 最大換気量の減少
- 心肺機能が増大するため、最大換気量は増加する。
- 基礎代謝量の増加
- 筋肉量の増加によって、基礎代謝量も増加する。
【問題3】 日本の平成25年(2013年)における業務上疾病で発生件数が最も多いのはどれか。
正解 3
- 振動障害
- 騒音による耳の疾患
- 負傷に起因する疾病
- 日本の平成25年における業務上疾病で発生件数が最も多いのは、負傷に起因する疾病であり、業務上疾病の約6割を災害性腰痛が占めている。
- じん肺症及びじん肺合併症
正解 2
- 年金給付
- 予防給付
- 予防給付は介護保険の給付であり、要支援1〜2と認定された人が対象である。
- 求職者給付
- 教育訓練給付
【問題5】 臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。
正解 2
- 教育委員会
- 倫理委員会
- 倫理委員会とは、人を対象とする研究を行う場合、研究対象者の立場を擁護するために、研究が倫理指針に沿って倫理的かつ適正に行われているかを審査する組織である。
- 医療事故調査委員会
- 院内感染対策委員会
正解 2
- 妊娠36週0日から40週6日
- 妊娠37週0日から41週6日
- 妊娠37週以降42週未満の分娩を正期産という。
- 妊娠38週0日から42週6日
- 妊娠39週0日から43週6日
正解 3
- 40歳
- 45歳
- 50歳
- 日本の女性の平均閉経年齢は約50歳である。
- 55歳
【問題8】 日本の平成25年(2013年)における家族の世帯構造で最も少ないのはどれか。
正解 2
- 単独世帯
- 三世代世帯
- 平成25年の国民生活基礎調査によると、平成25年の世帯総数は5011万2千世帯で、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が29.7%、「単独世帯」が26.5%、「夫婦のみの世帯」が23.2%、「三世代世帯」が6.6%となっている。
- 夫婦のみの世帯
- 夫婦と未婚の子のみの世帯
正解 2
- 国
- 都道府県
- 保健所は、都道府県、政令指定都市、中核市、その他の政令で定める市または特別区が設置する。
- 社会福祉法人
- 独立行政法人
正解 4
- 国家資格を持つ者で構成される。
- 国家資格を持つ者だけで構成されるとは限らない。
- リーダーとなる職種を固定する。
- リーダーとなる職種は固定されない。
- 他施設との間で行うことはできない。
- 他施設との連携も必要である。
- メンバー間で情報を共有して意思決定をする。
- チーム医療では、多職種が連携して情報を共有し、意見交換および意思決定をして適切なケアを提供する。
正解 3
- 乳腺
- 乳腺は外分泌器官である。
- 涙腺
- 涙腺は外分泌器官である。
- 甲状腺
- 甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官である。
- 唾液腺
- 唾液腺は外分泌器官である。
【問題12】 臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。
正解 3
- 低体温
- 心停止
- 平坦脳波
- 脳死の判定基準は、
1. 深昏睡
2. 自発呼吸の消失
3. 瞳孔固定し、両側瞳孔径4o以上
4. 脳幹反射(対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射)の消失
5. 平坦脳波
1〜5の条件が満たされた後、6時間経過をみて変化がない場合である。
- 脳死の判定基準は、
- 下顎呼吸
【問題13】 高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。
正解 2
- 45%
- 55%
- 成人の水分の割合は体重の約60%であるが、高齢者では体内の水分量が減少し、体重の50〜55%程度である。
- 65%
- 75%
正解 3
- 失語
- 失行
- 失神
- 徐脈性不整脈では、心臓から脳への血液供給が低下し、失神やめまいが起こりやすくなる。
- 失明
【問題15】 糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。
正解 3
- 総ビリルビン
- 総ビリルビンは、肝機能障害や胆管障害、黄疸症状の指標となる。
- 総コレステロール
- 総コレステロールは、血中に含まれるコレステロールの量で、脂質異常症の診断基準の一つである。
- グリコヘモグロビン
- グリコヘモグロビン(HbA1c)は、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものである。HbA1c値によって過去1、2か月の血糖状態を把握することができるため、糖尿病の血糖コントロールの指標となる。
- クレアチニンクリアランス
- クレアチニンクリアランスは、腎機能の指標として用いられる。
正解 4
- 幻聴
- 幻聴は統合失調症などでみられる。
- 抑うつ
- 抑うつはうつ病などでみられる。認知症でもみられることはあるが、中核症状ではない。
- 希死念慮
- 希死念慮はうつ病でみられることが多い。
- 見当識障害
- 認知症の人すべてにみられる症状を中核症状という。見当識障害の他に、記憶障害、失語、失認、失行などがある。
正解 4
- 便秘
- 便秘は、抗うつ薬などの副作用である。
- 口内炎
- 口内炎は、抗癌薬などの副作用である。
- 低血圧
- 低血圧は、降圧薬などの副作用である。
- 骨粗鬆症
- ステロイド薬の副作用には、骨粗鬆症の他に、中心性肥満、満月様顔貌、易感染、精神症状、胃・十二指腸潰瘍、白内障、緑内障、糖尿病などがある。
正解 4
- 溢流性尿失禁
- 溢流性尿失禁は、慢性尿閉によって尿が膀胱に溜まり、膀胱内圧が上昇して尿が漏れ出してしまうものである。前立腺肥大症や神経因性膀胱などが原因となる。
- 切迫性尿失禁
- 切迫性尿失禁は、膀胱が過敏な状態で、強い尿意が急に起こり、我慢できずに尿が漏れてしまうものである。脳卒中や脊髄炎などの中枢神経疾患、膀胱炎や前立腺肥大症などの泌尿器系疾患が原因となる。
- 反射性尿失禁
- 反射性尿失禁は、脊髄損傷などの中枢神経疾患によって、膀胱に尿が溜まっても、尿意を感じたり排尿をコントロールできずに、尿失禁が生じるものである。
- 腹圧性尿失禁
- 腹圧性尿失禁は、骨盤底筋や尿道括約筋の低下により、努責やくしゃみなどの腹圧に耐えられずに尿失禁が生じるものであり、骨盤底筋訓練が有効である。
正解 3
- 歯肉出血がある場合は実施しない。
- 歯肉出血がある場合でも、口腔ケアは必要である。出血部位に注意しながら実施する。
- 含嗽ができない患者には禁忌である。
- 含嗽ができない原因によって、口腔ケアの方法を変えて行う。
- 経口摂取の有無に関係なく実施する。
- 口腔ケアは、経口摂取の有無に関係なく実施する。経口摂取をしていない場合、唾液の分泌量が低下するため、自浄作用が低下し、口腔内は汚れやすくなる。口腔ケアは必須である。
- 総義歯の場合は義歯を入れた状態で実施する。
- 義歯を取り外し、義歯の洗浄とともに、口腔内も洗浄する。
【問題20】 医療法施行規則に定められている療養病床に係る病室の床面積は、患者1人につき[ ]m2以上である。[ ]に入るのはどれか。
正解 4
- 3.4
- 4.4
- 5.4
- 6.4
- 医療法施行規則によって、療養病床に係る病室の床面積は、患者1人につき6.4m2以上と定められている。
【問題21】 注射針を皮膚に対して45〜90度の角度で刺入するのはどれか。
正解 3
- 皮内注射
- 皮内注射は、ツベルクリン反応や即時型アレルギーの診断の際に用いられ、通常26〜27Gの注射針を使用する。皮膚面とほぼ平行な形で針を刺入する。
- 皮下注射
- 皮下注射では、通常22〜25Gの注射針を使用する。薬液を皮下組織に注入することが目的であり、皮膚を少しつまみ上げて、10〜30度の角度で2/3程度刺入する。
- 筋肉内注射
- 筋肉内注射では、通常21〜23Gの注射針を使用する。薬液を筋肉の筋層内に注入することが目的であり、皮膚を進展させて、45〜90度の角度で刺入する。
- 静脈内注射
- 静脈内注射では、通常21〜23Gの注射針を使用し、15〜20度の角度で刺入する。
【問題22】 薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。
正解 4
- 坐薬
- 経口薬
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
- 静脈内注射は、直接血管内に薬剤を投与するので、血中濃度の上昇が最も速い与薬方法である。
正解 1
- 血糖
- 患者自らが血糖自己測定を行うことによって、血糖コントロールを良好に保つことができる。
- カリウム
- カルシウム
- アルブミン
【問題24】 ベンチュリーマスクの写真を示す。酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。
正解 3
- ①
- マスクである。
- ②
- 蛇管である。
- ③
- ダイリューターと呼ばれるアダプター部分であり、酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節することができる。
- ④
- 酸素チューブである。
【問題25】 災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。
正解 1
- 発災後3〜7日
- 発災後3〜7日は、災害による心理的ストレスによって急性ストレス障害が強く現れる時期である。身体症状としては、動悸や呼吸困難、不眠などが現れるが、通常数日から数週間で治まる。症状が1か月以上持続する場合は、外傷後ストレス障害(PTSD)となる。
- 発災後2週〜1か月
- 発災後半年〜3年
- 発災後4年目以降