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第102回国家試験必修問題解説(午前問題1〜25)

【問題1】 日本の平成22年(2010年)における総人口に最も近いのはどれか。

正解 2

  1. 1億人
  2. 1億3千万人
    • 平成22年国勢調査によると、日本の平成22年における総人口は、1億2805万7352人である。
  3. 1億6千万人
  4. 1億9千万人

【問題2】 飲酒に起因する健康障害はどれか。

正解 1

  1. 肝硬変
    • 肝硬変の主な原因は、慢性肝炎やアルコール性肝障害などである。蛋白合成能低下によって、低アルブミン血症や凝固因子低下による出血傾向がみられ、異化作用低下によって、黄疸、クモ状血管腫、手掌紅斑、女性化乳房などがみられる。また、アンモニア値上昇によって、肝性脳症(肝性昏睡)をきたすと、羽ばたき振戦がみられる。
  2. 膠原病
  3. Meniere(メニエール)病
  4. Parkinson(パーキンソン)病

【問題3】 日本において国民皆保険制度が適用されているのはどれか。

正解 1

国民皆保険制度とは、全ての国民が公的な医療保険に加入することを義務付ける制度である。

  1. 医療保険
    • 医療保険には、健康保険、共済組合、船員保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度があり、生活保護の受給者などの一部を除き、全国民が何らかの形で公的医療保険に加入するよう定められている。
  2. 介護保険
    • 介護保険は、40歳から加入が義務付けられる。
  3. 火災保険
    • 火災保険の加入は任意である。
  4. 生命保険
    • 生命保険の加入は任意である。

【問題4】 ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。

正解 4

  1. リビングウィル
    • リビングウィルとは、生前の意思という意味であり、死期が迫ったときの治療方針を事前に書面に示すことである。
  2. ヘルスプロモーション
    • ヘルスプロモーションとは、WHO(世界保健機関)が1986年のオタワ憲章において提唱したもので、人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセスをいう。
  3. ノーマライゼーション
    • 「障害者や高齢者を特別視せず、可能な限り通常の市民生活を送ることができるようにする」という理念やそれに基づく政策をノーマライゼーションという。
  4. インフォームド・コンセント
    • インフォームド・コンセントとは、患者に十分に情報を提供し、患者の同意を得ることである。世界医師会が採択したヘルシンキ宣言によって提唱された基本原則の1つである。

【問題5】 新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されているのはどれか。

正解 3

  1. 医療法
  2. 学校教育法
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律
    • 看護師等の人材確保の促進に関する法律(第5条)において、「病院等の開設者等は、病院等に勤務する看護師等が適切な処遇の下で、その専門知識と技能を向上させ、かつ、これを看護業務に十分に発揮できるよう、病院等に勤務する看護師等の処遇の改善、新たに業務に従事する看護師等に対する臨床研修その他の研修の実施、看護師等が自ら研修を受ける機会を確保できるようにするために必要な配慮その他の措置を講ずるよう努めなければならない」と規定されている。
  4. 保健師助産師看護師学校養成所指定規則

【問題6】 Down(ダウン)症候群を生じるのはどれか。

正解 3

  1. 13トリソミー
    • パトー症候群である。
  2. 18トリソミー
    • エドワード症候群である。
  3. 21トリソミー
    • ダウン症候群である。21番染色体に1本過剰な染色体が存在し、3本あることによって起こる。
  4. 性染色体異常
    • 性染色体異常には、ターナー症候群やクラインフェルター症候群などがある。ダウン症候群は、常染色体異常である。

【問題7】 乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。

正解 2

  1. 16本
  2. 20本
    • 乳歯は、生後6か月ごろから生えはじめ、生えそろうと全部で20本である。
  3. 24本
  4. 28本

【問題8】 日本における平成21年(2009年)の5〜9歳の子どもの死因で最も多いのはどれか。

正解 3

平成21年の死因(総数)で最も多いのは「悪性新生物」である。

  1. 肺炎
  2. 心疾患
  3. 不慮の事故
    • 「平成21年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、日本における平成21年の5歳から9歳までの子どもの死因で最も多いのは「不慮の事故」である。次いで「悪性新生物」「心疾患」の順となっている。
  4. 悪性新生物

【問題9】 成人期において基礎代謝量が最も多い時期はどれか。

正解 1

  1. 青年期
    • 基礎代謝量は青年期まで年齢とともに増加し、その後加齢とともに減少していく。基礎代謝量のピークは、男性で16〜17歳頃、女性で13〜14歳頃である。
  2. 壮年前期
  3. 壮年後期
  4. 向老期

【問題10】 医療法において、病院とは□人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。□に入るのはどれか。

正解 2

  1. 10
  2. 20
    • 医療法(第1条の5)において、病院とは20人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。
  3. 50
  4. 100

【問題11】 分娩第2期はどれか。

正解 3

  1. 陣痛開始から子宮口全開大まで
    • 規則的陣痛開始から子宮口全開大までは分娩第1期である。
  2. 排臨から発露まで
    • 排臨とは、児頭が陣痛発作時に見え、間欠時に隠れる状態である。発露とは、陣痛間欠時も児頭が露出した状態である。
  3. 子宮口全開大から胎児娩出まで
    • 分娩第2期とは、子宮口全開大から胎児娩出までである。
  4. 胎児娩出から胎盤娩出まで
    • 胎児娩出から胎盤娩出までは分娩第3期である。

【問題12】 チアノーゼの際の皮膚の色に最も近いのはどれか。

正解 1

    • 血液中の酸素濃度が低下して、口唇や爪床など皮膚や粘膜が青紫色になった状態をチアノーゼという。チアノーゼ(cyanosis)の語源はシアン(cyan=青)である。

【問題13】 サーカディアンリズムの周期はどれか。

正解 3

  1. 約8時間
  2. 約12時間
  3. 約24時間
    • 生物にみられる生理活動や行動の1日のサイクルをサーカディアンリズム(概日リズム)という。
  4. 約48時間

【問題14】 前立腺癌に特徴的な腫瘍マーカーはどれか。

正解 4

  1. AFP
    • AFPは主に肝細胞癌の腫瘍マーカーとして用いられる。
  2. CA19-9
    • CA19-9は主に膵臓癌や胆道癌の腫瘍マーカーとして用いられる。
  3. CEA
    • CEAは、主に胃癌や大腸癌の腫瘍マーカーとして用いられる。また、肺癌や膵臓癌、胆道癌でも用いられる。
  4. PSA
    • PSAは、前立腺上皮細胞が産生する糖蛋白の一種で、前立腺癌の腫瘍マーカーとして用いられる。

【問題15】 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に有効な薬はどれか。

正解 1

  1. バンコマイシン塩酸塩
    • MRSAは、メチシリンをはじめほぼ全てのβ-ラクタム系抗菌剤に耐性を示す黄色ブドウ球菌であり、MRSAによる主な感染症には腸炎、敗血症、肺炎などがある。バンコマイシン(VCM)はMRSAに有効であるが、腸管からの吸収が悪いため、消化管感染以外の場合は原則静脈投与される。また、腎障害や聴覚障害などの副作用があり、点滴速度が速すぎるとレッドネック(レッドマン)症候群(顔面、頚部、躯幹の紅斑性充血、掻痒等)が生じることがある。
  2. セファゾリンナトリウム
    • セファゾリンナトリウムは、セファゾリンに感性のブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、大腸菌、肺炎桿菌などに有効である。
  3. ストレプトマイシン硫酸塩
    • ストレプトマイシン硫酸塩は、結核菌、グラム陽性菌、グラム陰性菌などに有効である。
  4. ベンジルペニシリンカリウム
    • ベンジルペニシリンカリウムは、ベンジルペニシリンに感性のブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌などに有効である。

【問題16】 成人女性に一時的な導尿を行う際に、カテーテルを挿入する長さはどれか。

正解 2

尿道の長さは、男性が16〜20cm、女性は3〜4cmである。

  1. 1〜3cm
  2. 5〜7cm
    • 女性の場合、仰臥位で両脚を曲げ、両膝を屈曲して脚を開く。カテーテルは外尿道口から6cm程度挿入する。10cm以上の挿入は膀胱内壁を傷つける可能性がある。
  3. 9〜11cm
  4. 18〜20cm

【問題17】 爪の切り方の模式図を示す。爪のケアとして適切な切り方はどれか。

正解 2

  1. 第102回看護師国家試験必修問題解説17図1
  2. 第102回看護師国家試験必修問題解説17図2
    • フリーエッジ(爪の先の白い部分)を1〜2mm残して、指の形に合わせてスクエアオフに切り、やすりで整える。深爪は、巻爪や陥入爪の原因になる。
  3. 第102回看護師国家試験必修問題解説17図3
  4. 第102回看護師国家試験必修問題解説17図4

【問題18】 空気感染を防止するための防護用具はどれか。

正解 3

空気感染は、直径5μm以下の飛沫核による感染である。

  1. ガウン
    • 空気感染の防止にはならない。
  2. ゴーグル
    • 空気感染の防止にはならない。
  3. N95マスク
    • N95マスクは、空気感染源を捕集し、着用者の呼吸器感染のリスクを低減する。0.3μm以上の微粒子を95%以上捕集する。
  4. 外科用マスク
    • 飛沫感染の防止に使用する。飛沫核が顔とマスクの間の隙間からマスク内に流れるため、空気感染の防止には不十分である。

【問題19】 無菌操作を必要とするのはどれか。

正解 2

  1. 鼻腔吸引
  2. 気管内吸引
    • 気管内吸引では鼻腔吸引や口腔内吸引と異なり、呼吸器感染を防止するために無菌操作が必要とされる。
  3. 口腔内吸引
  4. 胃内容物の吸引

【問題20】 仰臥位での褥瘡好発部位はどれか。

正解 1

褥瘡の好発部位は、人体骨格の突出部で、体圧が集中する部位である。

  1. 仙骨部
    • 仰臥位では仙骨部に体圧が集中するため、一番の好発部位である。その他、後頭部や踵骨部でも多く発生する。
  2. 内顆部
    • 側臥位での褥瘡好発部位である。
  3. 腸骨稜部
    • 側臥位での褥瘡好発部位である。
  4. 大転子部
    • 側臥位での褥瘡好発部位である。

【問題21】 日本の平成22年(2010年)における母の年齢階級別出生率が最も高いのはどれか。

正解 3

  1. 20〜24歳
  2. 25〜29歳
  3. 30〜34歳
    • 平成22年度「出生に関する統計」の概況によると、日本の平成22年における母の年齢階級別出生率が最も高いのは30〜34歳である。次いで25〜29歳、35〜39歳、20〜24歳、40〜44歳の順である。
  4. 35〜39歳
  5. 40〜44歳

【問題22】 低血糖の症状または所見はどれか。

正解 4

  1. 口渇
  2. 徐脈
  3. 多尿
  4. 発汗
    • 低血糖症状として、まず発汗や動悸、振戦、空腹、頻脈などの交感神経症状が出現し、さらに血糖低下が進行すると、中枢神経症状が出現して意識レベルが低下する。
  5. 発熱

【問題23】 ワルファリンと拮抗作用があるのはどれか。

正解 5

  1. ビタミンA
  2. ビタミンC
  3. ビタミンD
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK
    • ワルファリンは、ビタミンKに拮抗し、肝臓におけるビタミンK依存性凝固因子の生合成を抑制して、抗凝血作用を現す。ワルファリン服用時は、納豆などビタミンKを多く含む食品の摂取は避けなければならない。

【問題24】 体位の写真を示す。Fowler(ファウラー)位はどれか。

正解 4

  1. 第102回看護師国家試験必修問題解説24図1
    • 側臥位である。
  2. 第102回看護師国家試験必修問題解説24図2
    • 下肢を挙上した体位である。
  3. 第102回看護師国家試験必修問題解説24図3
    • 仰臥位である。
  4. 第102回看護師国家試験必修問題解説24図4
    • ファウラー位(半座位)である。仰臥位で下肢を水平にしたまま上半身を45度程度起こした体位で、腹腔穿刺や呼吸困難時に用いる。
  5. 第102回看護師国家試験必修問題解説24図5
    • 腹臥位(伏臥位)である。

【問題25】 肘正中皮静脈からの採血における駆血部位の写真を示す。正しいのはどれか。ただし、×は刺入部である。

正解 2

  1. 第102回看護師国家試験必修問題解説25図1
  2. 第102回看護師国家試験必修問題解説25図2
    • 駆血帯は穿刺部位より5〜10cm中枢側に巻く。
  3. 第102回看護師国家試験必修問題解説25図3
  4. 第102回看護師国家試験必修問題解説25図4
  5. 第102回看護師国家試験必修問題解説25図5

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