募集要項・求人票の見方

インターネット上や採用パンフレットで見ることができる募集要項には、様々な情報が記載されています。給与や賞与だけに着目しがちですが、他にも重要な情報が記されています。 勤務してから後悔しないためにも各項目をきちんと把握しておきましょう。

給与 給与が高いに越したことはありませんが、基本給や初任給の額だけで就職先を決めるのは避けた方が賢明です。 給与が高い=待遇の良い病院、働きやすい病院とは限りません。給与は勤続年数や仕事内容によって算出されますので、自分に適した病院で長く勤務する方が結果的に生涯年収が高くなることがあります。
諸手当 基本給に加えて支給されます。
時間外手当、夜勤手当、住宅手当、役職手当、資格手当などがあります。
賞与(ボーナス) 病院の実績等により上下する特別な報酬で、大抵の病院では年2回、夏と冬(6月、12月)に支給されます。 募集要項には、「前年度実績○ヶ月分」と表記されます。例えば、前年度実績3ヶ月で基本給が25万円の場合、25×3=75万円が年間の予定賞与額となります。
看護方式 <チームナーシング>
リーダーのもとに看護師、看護助手がチーム体制を組んで患者のケアにあたるものです。また、一定期間チームを固定するものを固定チームナーシングといいます。
<プライマリーナーシング>
看護師が患者と1対1の関係を持って入院から退院まで一貫したケアを行うものです。患者との信頼関係は築きやすいのですが、看護師のスキルによって差が出てしまいます。
<モジュール型継続受け持ち方式>
看護師を3~4人のモジュール(小チーム)に分け、各々の看護師が数名の患者を受け持ち看護を提供します。受け持ち看護師が不在の場合はモジュール内の他の看護師がケアにあたるので、24時間継続したケアが可能になります。
勤務形態 毎日24時間を交代で看護にあたる交代勤務となりますが、「3交代制」を採用している病院と「2交代制」を採用している病院があります。 3交代制は、24時間を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つに分けて勤務します。2交代制は、24時間を「日勤」と「夜勤」に分けて勤務します。 働く時間の総数はほとんど変わりませんが、勤務と勤務の間隔、出退勤の時間帯に大きな違いがあります。2交代制の方が一回の勤務時間が長いですが、その分自由な時間も多くなります。どちらが自分のライフスタイルに合っているかを考えて選択しましょう。
<3交代制例>
日勤 8:30~17:00
準夜勤 17:00~1:00
夜勤 0:30~8:30
<2交代制例>
日勤 8:30~17:00
夜勤 17:00~8:30
(病院によって多少時間は異なります)
休暇 大抵の病院では、「4週○休」という記載になっています。「4週8休」の場合、4週間で8日の休日があるということになりますので、週に1日休みの場合もあれば、3日休みの場合もあります。また、年次有給休暇は、その日を休んでも賃金が支払われる休暇であり、入職してから6ヶ月間勤務後に最低10日間付与されます。ただ、有給休暇の消化率は各病院によって異なります。
診療科目 多くの診療科があったとしても、全ての科において高度な医療を提供できているとは限りません。各病院にはそれぞれ得意分野があります。病院ごとの特色や強みをしっかりと把握しておく必要があります。また、配属先の希望は出すことができますが、必ずしも希望通りに配属されるとは限りません。
看護配置 「7対1」「10対1」とは、患者に対する看護配置を示しています。例えば「7対1」とは、1日24時間を平均して、患者7人に1人の看護職が勤務していることを表しています。また、看護配置が手厚いほど、診療報酬として病院に支払われる金額が高くなります。
看護師寮 最近では、一般のワンルームマンションを病院が借りて、寮として提供している病院が増えています。プライベートな時間を持て、なおかつ実際の家賃の半額程度で住むことができます。なかには、月5千円~1万円程度で提供している病院もあります。
院内保育施設 子供を持つ看護師のために、病院内に保育所を設置する病院も増えております。利用料金は月1万円~3万円程度で、24時間保育を実施している所もあります。
保養施設 観光地や行楽地に保養施設を持っている病院も多数あります。ホテルに格安で宿泊できたり、アミューズメント施設を割安で利用できます。看護業務は体への負担も大きい仕事ですので、家族や友人と充実した休日を過ごすことも必要です。