第105回午後問題97
次の文を読み97~99の問いに答えよ。
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。
Aさんから尿失禁について外来受診時に相談があった。最近は尿意を感じてから洋式トイレに座るまでに時間がかかり、尿が少量漏れることがある。排尿回数は1日7回程度で、残尿感、排尿痛および排尿時不快感はない。咳、くしゃみ及び農作業の動作で尿が漏れることはない。Aさんの尿失禁の種類として考えられるのはどれか。
- 溢流性尿失禁
- 機能性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
正解 2
- 溢流性尿失禁
- 溢流性尿失禁は、慢性尿閉によって尿が膀胱に溜まり、膀胱内圧が上昇して尿が漏れ出してしまうものである。
- 機能性尿失禁
- 機能性尿失禁は、運動機能低下や認知症などによりトイレに間に合わなかったり、排尿すべき場所を認識できずに生じる尿失禁である。Aさんは洋式トイレに座るまでに時間がかかることで尿失禁が起こっており、機能性尿失禁が考えられる。
- 切迫性尿失禁
- 切迫性尿失禁は、膀胱が過敏な状態で、強い尿意が急に起こり、我慢できずに尿が漏れてしまうものである。
- 腹圧性尿失禁
- 腹圧性尿失禁は、骨盤底筋や尿道括約筋の低下により、努責やくしゃみなどの腹圧に耐えられずに尿失禁が生じるものである。