第102回午後問題118

次の文を読み118~120の問いに答えよ。
Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。

Aちゃんへの経管栄養法で適切なのはどれか。

  1. 胃管挿入の長さは、鼻尖から胸骨剣状突起までの直線距離とする。
  2. 胃管挿入後は、注射器で空気を1ml注入して気泡音を確認する。
  3. 栄養剤を注入する前には毎回、胃内容物が吸引できるか確認する。
  4. 栄養剤を注入する際の姿勢は、仰臥位とする。

正解 3

  1. 胃管挿入の長さは、鼻尖から胸骨剣状突起までの直線距離とする。
    • 経鼻胃管挿入の長さは、乳児では眉間から剣状突起までの距離である。
  2. 胃管挿入後は、注射器で空気を1ml注入して気泡音を確認する。
    • 胃管挿入後は、注射器で空気を注入して気泡音を確認し、管の先端が胃の中にあることを確認する。新生児では、1~2ml注入するが、現在1歳2か月であり、1mlでは少ない。
  3. 栄養剤を注入する前には毎回、胃内容物が吸引できるか確認する。
    • 栄養剤を注入する前には、胃内容物を吸引してカテーテルが確実に挿入されているか確認する。
  4. 栄養剤を注入する際の姿勢は、仰臥位とする。
    • 栄養剤を注入する際の姿勢は、嘔吐による誤嚥防止のためファウラー位とする。胃内容物を十二指腸に流れやすくするため、右側臥位とする場合もある。
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