第102回午後問題99
次の文を読み97~99の問いに答えよ。
Aさん(23歳、女性)は、大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。母親は、Aさんについて「中学時代までは成績優秀で、手のかからない、おとなしい子どもだった」と言っている。両親と妹との4人で暮らしている。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮がむけてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、強迫性障害と診断された。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、本人の同意を得て、その日のうちに任意入院となった。
入院後1か月が経過した。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、薬物療法や認知行動療法による効果が認められ、手洗い行為はほとんどみられなくなった。主治医、Aさん及び家族で話し合った結果、1か月後の退院を目指すことになった。退院するまでの期間に参加を勧めるプログラムとして適切なのはどれか。2つ選べ。
- 回想法
- 森田療法
- 就労移行支援
- 家族心理教育
- 生活技能訓練(SST)
正解 4,5
- 回想法
- 回想法は認知症に効果的である。
- 森田療法
- 森田療法は、恐怖症性不安障害やパニック障害、強迫性障害などに適応されるが、強迫行為はほとんどみられなくなっている。
- 就労移行支援
- 就労移行支援は、一般就労等への移行に向けて、事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援である。通所によるサービスが原則であり、時期尚早である。
- 家族心理教育
- 家族が障害に関する正しい知識や情報を理解し、もたらされる諸問題に対する対処法を習得することは適切である。
- 生活技能訓練(SST)
- 生活技能訓練は、対人関係や日常生活における技能の習得を助ける訓練であり、適切である。