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第105回看護師国家試験一般問題・状況設定問題解説(午後問題69〜90)

【問題69】 貪食能を有する細胞はどれか。

正解 5

  1. 好酸球
  2. Bリンパ球
  3. 線維芽細胞
  4. 血管内皮細胞
  5. マクロファージ
    • 白血球の一種であるマクロファージや好中球は、進入した細菌や異物などを貪食する。

【問題70】 流行性角結膜炎の原因はどれか。

正解 4

  1. 淋菌
    • 淋菌は、淋病(淋菌感染症)の原因となる。
  2. 緑膿菌
    • 緑膿菌は、日和見感染の原因となる。
  3. クラミジア
    • クラミジアは、性器クラミジア感染症の原因となる。
  4. アデノウイルス
    • アデノウイルスは、流行性角結膜炎の原因となる。
  5. ヘルペスウイルス
    • ヘルペスウイルスは、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの原因となる。

【問題71】 ビタミンの欠乏とその病態との組合せで正しいのはどれか。

正解 2

  1. ビタミンA ―― 壊血病
    • 壊血病はビタミンC欠乏症である。
  2. ビタミンB1 ―― 代謝性アシドーシス
    • ビタミンB1が欠乏すると、乳酸やピルビン酸が蓄積されるため、代謝性アシドーシスとなる。
  3. ビタミンC ―― 脚気
    • 脚気はビタミンB1欠乏症である。
  4. ビタミンD ―― 悪性貧血
    • 悪性貧血はビタミンB12欠乏症である。
  5. ビタミンE ―― 出血傾向
    • 出血傾向はビタミンK欠乏症である。

【問題72】 日本人の食事摂取基準(2015年版)で、身体活動レベルⅠ、70歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量はどれか。

正解 2

  1. 1,450kcal
  2. 1,850kcal
    • 日本人の食事摂取基準(2015年版)で、身体活動レベルⅠ、70歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量は1,850kcalである。
  3. 2,000kcal
  4. 2,200kcal
  5. 2,500kcal

【問題73】 触診法による血圧測定で適切なのはどれか。

正解 4

  1. 血圧計は患者の心臓の高さに置く。
    • マンシェットの位置を患者の心臓と同じ高さにする。
  2. マンシェットの幅は上腕全体を覆うサイズを選ぶ。
    • 幅広のマンシェットを使用すると低値に出る傾向がある。成人のマンシェットの幅は12〜14cm幅が用いられる。
  3. 150mmHgまで加圧して減圧を開始する。
    • 触診法で測定する場合は、脈が触れなくなった所からさらに20〜30mmHg加圧する。
  4. 加圧後に1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。
    • 加圧後は1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。減圧の速度が速過ぎると、血圧は低く測定されやすくなる。
  5. 減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値を拡張期血圧とする。
    • 減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値は収縮期血圧である。

【問題74】 待機的に行う食道静脈瘤硬化療法について正しいのはどれか。

正解 5

  1. 全身麻酔下で行う。
    • 局所麻酔で行う。
  2. 前日に下剤を内服する。
    • 下剤の内服は必要ない。
  3. 治療後48時間の安静が必要である。
    • 治療当日はトイレ歩行以外はベッド上安静である。
  4. 治療翌日の朝から常食を開始する。
    • 治療翌日に流動食から開始となる。
  5. 治療後に胸部痛が出現する可能性がある。
    • 合併症として、胸痛、発熱、食道潰瘍、食道狭窄などがある。

【問題75】 老人性白内障の症状で正しいのはどれか。

正解 3

  1. 涙が流れ出る状態が続く。
    • 涙が流れ出る状態が続くのは、流涙症である。
  2. 小さい虫が飛んでいるように見える。
    • 小さい虫が飛んでいるように見えるのは、飛蚊症である。
  3. 明るい場所ではまぶしくてよく見えない。
    • 老人性白内障では、加齢に伴い水晶体が白濁し、視力の低下や羞明がみられる。
  4. 遠見視力は良好であるが近見視力は低下する。
    • 遠見視力は良好であるが近見視力は低下するのは、老視である。
  5. 暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかる。
    • 暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかるのは、暗順応の低下である。

【問題76】 臓器の移植に関する法律において脳死臓器提供が可能になるのはどれか。

正解 5

  1. 1歳
  2. 6歳
  3. 15歳
  4. 20歳
  5. 年齢制限なし
    • 臓器の移植に関する法律(臓器移植法)の平成21年の改正によって、家族の承諾があれば15歳未満の者からの臓器提供が可能となり、年齢制限がなくなった。

【問題77】 乳児の髄膜炎などを抑制するため、平成25年(2013年)に定期接種に導入されたのはどれか。

正解 5

  1. 日本脳炎ワクチン
    • 日本脳炎ワクチンは定期接種である。
  2. ロタウイルスワクチン
    • ロタウイルスワクチンは任意接種である。
  3. インフルエンザワクチン
    • インフルエンザワクチンは任意接種である。ただし、65歳以上の者、60歳以上65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器の機能、又はヒト免疫不全ウイルスにより免疫機能に障害のある者は定期接種の対象となる。
  4. 麻しん風しん混合ワクチン
    • 麻しん風しん混合ワクチンは定期接種である。
  5. Hib(Haemophilus influenzae type b)ワクチン
    • Hibワクチンは、細菌性髄膜炎などのHib感染症を予防するワクチンである。平成25年から予防接種法に基づく定期接種となっている。

【問題78】 生後1、2か月のDown(ダウン)症候群の乳児にみられる特徴はどれか。

正解 5

  1. 活気があり機嫌が良い。
    • 活気がなく、あまり泣かない。
  2. 体重増加は良好である。
    • 哺乳不足で、体重増加は不良である。
  3. 筋緊張が強く抱っこしにくい。
    • 筋緊張が弱く抱っこしにくい。
  4. 舌が小さく吸啜が困難である。
    • 口から舌がはみ出した状態になり、吸啜が困難である。
  5. 哺乳の途中で眠ってしまうことが多い。
    • 吸啜が困難なため、哺乳の途中で疲労して眠ってしまうことが多い。

【問題79】 在胎40週0日、体重3,011gで出生した男児。出生後1分、呼吸数60/分、心拍数140/分であった。四肢を屈曲させ、刺激に対して啼泣している。体幹はピンク色、四肢にはチアノーゼがみられる。この男児の1分後のApgar(アプガー)スコアはどれか。

正解 5

  1. 1点
  2. 3点
  3. 5点
  4. 7点
  5. 9点
    • 皮膚の色は体幹ピンク、四肢チアノーゼで1点、心拍数は100/分以上で2点、刺激に対して啼泣しており刺激による反射は2点、四肢を屈曲させており筋緊張は2点、呼吸数は2点で、合計9点である。

【問題80】 関節リウマチで療養している人への日常生活指導で適切なのはどれか。

正解 3

  1. 床に座って靴下を履く。
    • 床に座るのは関節に負担がかかるため適切ではない。
  2. 2階にある部屋を寝室にする。
    • 階段の昇降は関節の負担となるため適切ではない。
  3. 水道の蛇口をレバー式にする。
    • 蛇口をひねる動作は関節の負担となるため、蛇口をレバー式にするのは適切である。
  4. ボタンで着脱する衣服を選択する。
    • ボタンは着脱しにくいので適切ではない。
  5. 寝具はやわらかいマットレスにする。
    • やわらかいマットレスは、身体が沈み込み関節に負担がかかるため適切ではない。

【問題81】 食事摂取基準に耐容上限量が示されているビタミンはどれか。2つ選べ。

正解 1,5

  1. ビタミンA
    • 日本人の食事摂取基準(2015年版)の中で耐容上限量が示されているビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸である。
  2. ビタミンB1
  3. ビタミンB2
  4. ビタミンC
  5. ビタミンD
    • ビタミンAやビタミンDは脂溶性ビタミンであり、体内に蓄積しやすいため、耐容上限量が示されている。

【問題82】 水腎症の原因で正しいのはどれか。2つ選べ。

正解 1,4

  1. 前立腺癌
    • 水腎症は、尿路通過障害のため、腎盂や腎杯が拡張した状態である。前立腺癌では尿路が狭窄するため、水腎症の原因となる。
  2. 陰嚢水腫
    • 陰嚢水腫は、水が溜まって陰嚢が膨らんだ状態であるが、尿路の障害は起こらない。
  3. ループス腎炎
    • ループス腎炎はSLEによって起こる腎炎であり、蛋白尿、浮腫、腎機能低下などの症状が生じるが、尿路の障害はない。
  4. 神経因性膀胱
    • 神経因性膀胱では、膀胱から大脳に至る神経の一部の障害によって排尿障害や尿閉が起こり、水腎症の原因となる。
  5. 腎アミロイドーシス
    • 腎アミロイドーシスでは、アミロイド蛋白が腎臓に沈着することで腎機能障害が起こる。蛋白尿などの症状がみられ、ネフローゼ症候群を呈することがある。

【問題83】 児童相談所の業務はどれか。2つ選べ。

正解 1,3

  1. 児童の一時保護
    • 児童相談所の業務には、児童の一時保護がある。
  2. 自立支援給付の決定
    • 自立支援給付の決定は、市町村によってされる。
  3. 不登校に関する相談
    • 児童相談所は相談業務として、養護相談、保健相談、心身障害相談、非行相談、育成相談を行っている。
  4. 身体障害者手帳の交付
    • 身体障害者手帳は、都道府県知事が交付する。
  5. 放課後児童健全育成事業の実施
    • 放課後児童健全育成事業の実施主体は、市町村や社会福祉法人などである。

【問題84】 前腕の内側中央部に創部がある患者で、創部のガーゼがずれないよう固定をする必要がある。伸縮性のある巻軸包帯を使う場合に適切なのはどれか。2つ選べ。

正解 3,5

  1. 創の部位から巻き始める。
    • 創部より手首側から巻く。
  2. 包帯を伸ばした状態で巻く。
    • 伸ばした状態で巻くと、血流を阻害する可能性があるので、伸ばさずにそのまま巻く。
  3. 前腕部の巻き方は螺旋帯とする。
    • ガーゼがずれないよう巻き方は螺旋帯とする。
  4. 手関節から肘関節まで巻く。
    • 関節までは巻かない。
  5. 巻き終わりは環行帯とする。
    • 巻き始めと巻き終わりは環行帯とする。

【問題85】 壮年期の特徴はどれか。2つ選べ。

正解 3,5

  1. 骨密度の増加
    • 骨密度は20代でピークに達し、その後徐々に減少する。特に女性では、閉経を迎えるとエストロゲンなどの低下によって急速に減少する。
  2. 味覚の感度の向上
    • 味覚感度は20歳前後でピークに達し、その後、維持・低下していく。
  3. 総合的判断力の向上
    • 壮年期では、経験や知識の習得とともに総合的判断力が向上する。
  4. 早朝覚醒による睡眠障害
    • 早朝覚醒は特に老年期でみられる。
  5. 水晶体の弾力性の低下による視機能の低下
    • 壮年期では、水晶体の弾力性の低下によって老視がみられるようになる。

【問題86】 Aさん(63歳、男性)は、胃癌にて胃亜全摘出術後3か月目に誤嚥性肺炎で緊急入院した。食物の通過や排便は問題なかったが、食事摂取量が少なく、術前より体重が10kg減少した。総義歯が外れやすく歯科を受診予定であった。Aさんの肺炎の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。

正解 1,2

  1. 消化管内容物の逆流
    • 胃亜全摘出術後では、消化管内容物の逆流が起こりやすく、誤嚥性肺炎の原因となる。
  2. 義歯の不適合
    • 義歯の不適合によって、咀嚼や嚥下が困難になるため、誤嚥が生じやすくなる。
  3. 消化吸収障害
  4. 吻合部狭窄
  5. 腸閉塞

【問題87】 眼底検査が必要なのはどれか。2つ選べ。

正解 2,4

  1. 中耳炎
  2. 糖尿病
    • 眼底検査によって、糖尿病網膜症の進行度を診断できる。
  3. 麦粒腫
  4. 高血圧症
    • 眼底検査は高血圧症や動脈硬化症の診断に有用である。
  5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

【問題88】 加齢に伴う心血管系の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。

正解 2,3

  1. 心拍数の増加
    • 心拍数は加齢に伴い減少することはあっても、増加はしない。
  2. 左室壁の肥厚
    • 加齢に伴い左室壁は肥厚しやすくなる。
  3. 収縮期血圧の上昇
    • 加齢に伴う動脈壁の伸展性低下によって、収縮期血圧は上昇する。
  4. 圧受容機能の亢進
    • 加齢に伴い圧受容機能は低下する。
  5. 刺激伝導系の細胞数の増加
    • 刺激伝達系は加齢に伴い繊維化し、細胞数は減少する。

【問題89】 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

正解 2,3

  1. 介護予防サービスである。
    • 介護予防サービスは要支援者に対するサービスである。
  2. 24時間を通じて行われる。
    • 24時間を通じて行われており、緊急時にも対応可能である。
  3. 地域密着型サービスである。
    • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、地域密着型サービスである。
  4. 重症心身障害児を対象とする。
    • 要介護者を対象としている。
  5. 施設サービス計画の作成を行う。
    • 施設サービスではない。

【問題90】 車椅子で日常生活を送る在宅療養者の住宅改修で適切なのはどれか。2つ選べ。

正解 2,3

  1. 床を畳に変える。
    • 車椅子が走行しにくいため適切ではない。
  2. 玄関を引き戸にする。
    • 引き戸に変えるのは適切である。扉の取替えは保険給付の対象である。
  3. 廊下と部屋との段差をなくす。
    • 車椅子が走行しやすいよう段差をなくすのは適切である。段差の解消は保険給付の対象である。
  4. トイレに和式便器を設置する。
    • トイレは洋式便器を設置するとよい。洋式便器への取替えは保険給付の対象である。
  5. 廊下の幅は車椅子の幅と同じにする。
    • 車椅子がスムーズに通れるよう、廊下の幅は車椅子の幅より広くする。

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