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国家試験関係法規解説(第87回〜第91回)

第87回

【問題】 育児介護休業法で規定されている育児休業について正しいのはどれか。 (育児介護休業法)

  1. 本人の申出により適用される。
  2. 父母のいずれもが対象となる。
  3. 期間は2年である。
  4. 給与が全額保障される。

正解 1

  1. a,b
    • 育児介護休業法は男女労働者に適用される法律であり、本人の申出により適用される。事業主は、その申出を拒むことはできない。育児休業の期間は、子が1歳に達するまでの間であり、一定の場合(「保育所に入所を希望しているが入所できない」「子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった」)は、子が1歳6ヶ月に達するまで延長できる。尚、育児休業中の賃金は、育児介護休業法では定められておらず、通常は支給されないか、もしくは減額される。ただし、育児休業基本給付金(休業開始時賃金の50%)が支給される。
  2. a,d
  3. b,c
  4. c,d

第88回

【問題】 今日の社会福祉の基本理念でないのはどれか。 (社会福祉関連)

正解 3

  1. 生存権の保障
    • 憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」が社会福祉の根幹である。
  2. 個人の自立の確保
    • 障害者や高齢者に対する福祉サービスは、自立生活支援の視点に立っている。
  3. 慈善的な救済
    • 慈善的救済は、社会福祉の基本理念に当てはまらない。
  4. ノーマライゼーション
    • ノーマライゼーションとは、「障害者や高齢者を特別視せず、可能な限り通常の市民生活を送ることができるようにする」という考え方であり、福祉の基本理念の一つである。

【問題】 業務独占の免許はどれか。 (保健師助産師看護師法)

  1. 保健師
  2. 助産師
  3. 看護師
  4. 介護福祉士

正解 3

  1. a,b
  2. a,d
  3. b,c
    • 業務独占資格とは、資格がなければその業務を行うことが禁止されている資格であり、医師、看護師、助産師、薬剤師などが該当する。尚、保健師や介護福祉士、理学療法士、作業療法士などは名称独占のみである。
  4. c,d

【問題】 医療法で規定されていない施設はどれか。 (医療法)

正解 3

  1. 診療所
  2. 助産所
  3. 訪問看護ステーション
    • 医療法では、病院・診療所・助産所の定義・開設・管理・施設の基準や方法などが定められており、訪問看護ステーションについては規定されていない。
  4. 特定機能病院

【問題】 受胎調節実施指導員の認定を規定している法律はどれか。 (母体保護法)

正解 4

  1. 生活保護法
    • 生活保護法は、生活保護について規定した法律であり、目的は「日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」である。
  2. 母子保健法
    • 母子保健法は、「母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医務その他の措置を講じ、国民保健の向上に寄与すること」を目的としている。
  3. 地域保健法
    • 地域保健法は、「地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法、その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与すること」を目的としている。
  4. 母体保護法
    • 母体保護法は、「不妊手術及び人工妊娠中絶に関する事項を定めること等により、母性の生命健康を保護すること」を目的としており、受胎調節実地指導員についての規定も置かれている。受胎調節実地指導員は、保健師、助産師、看護師のいずれかの有資格者が、都道府県の認可する講習などを経て得られる国家資格であり、受胎や避妊の指導・支援、性感染症の予防などに取り組む。

第89回

【問題】 15歳の肢体不自由児が障害者手帳の交付を受ける根拠となる法律はどれか。 (身体障害者福祉法)

正解 3

  1. 児童福祉法
    • 児童福祉法は、児童の出生・育成が健やかであり、かつその生活が保障・愛護されることを目的とし、児童保護のための禁止行為や児童福祉司・児童相談所・児童福祉施設などの諸制度について定めている。身体障害児の保護、療育についての記載はあるが、障害者手帳についての記載はない。
  2. 障害者基本法
    • 障害者基本法は、障害者のための施策の基本理念、基本事項を定めており、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、障害者の福祉を増進することを目的としている。
  3. 身体障害者福祉法
    • 身体障害者福祉法は、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、身体障害者の福祉の増進を図ることを目的としている。第15条に「身体に障害のある者は、都道府県知事の定める医師の診断書を添えて、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地)の都道府県知事に身体障害者手帳の交付を申請することができる」とある。
  4. 社会福祉法
    • 社会福祉法は、福祉サービスの利用者の利益の保護、地域における社会福祉の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明適正な実施の確保、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、社会福祉の増進に資することを目的としている。

【問題】 福祉事務所が行う児童福祉業務はどれか。 (児童福祉法)

正解 2

  1. 母子栄養強化事業における食品の支給
    • 母子栄養強化事業(低所得階層の妊産婦および栄養欠落のある乳児に対して牛乳などの栄養食品を支給する)は、市区町村(保健センターなど)が行う母子保健事業の一つである。
  2. 助産施設への入所手続き
    • 助産施設への入所手続きは福祉事務所が行う。助産施設、母子生活支援施設及び保育所への入所に関しては、児童福祉法第22条に規定されている。
  3. 児童の療育相談
    • 児童の療育相談は児童相談所や保健所が行う。
  4. 養子縁組の調停
    • 養子縁組の調停は家庭裁判所が行う。

【問題】 労働基準法に規定されていないのはどれか。 (労働基準法)

正解 3

  1. 休憩時間
    • 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与えなければならない。尚、休憩時間の原則として「労働時間の途中に与えること」「自由に利用させること」「一斉に与えること(病院・診療所・助産所などは適用除外)」がある。
  2. 生理休暇
    • 生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を就業させてはならない。
  3. 介護休暇
    • 介護休暇については、育児介護休業法に規定されている。労働者は申し出ることにより、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができる。期間は通算して93日までである。
  4. 深夜業
    • 深夜(午後10時〜午前5時)に労働させた場合には2割5分以上の割増賃金を支払わなければならない。

【問題】 都道府県ナースセンターで正しいのはどれか。 (看護師等の人材確保の促進に関する法律)

正解 3

  1. 各都道府県の看護協会が指定する。
    • 各都道府県の看護協会が運営しているが、指定するのは都道府県知事である。
  2. 保健師助産師看護師法に規定されている。
    • 「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に規定されている。
  3. 職業紹介を無料で行っている。
    • 都道府県ナースセンターの業務は、無料の職業紹介(派遣は行わない)、人材確保のための調査、看護師等への研修・情報提供などである。
  4. 訪問看護を行っている。
    • 研修や情報提供は行っているが、看護事業自体は行っていない。

【問題】 在宅介護者が虐待者となる要因で関連が少ないのはどれか。 (老人福祉法)

正解 4

  1. 療養者の睡眠時間帯
    • 昼夜逆転などが介護者の身体的・精神的ストレスとなり、虐待の要因となる。
  2. 家族関係
    • 家族内における精神的・経済的な依存関係等のバランスが崩れることが虐待の要因となる。
  3. 介護者の介護量
    • 介護疲れが介護者のストレスを増大させ、虐待の要因となる。
  4. 療養者の年齢
    • 療養者の年齢は関連が少ない。

【問題】 公的介護保険の基本理念でないのはどれか。 (介護保険法)

正解 2

  1. 高齢者介護に対する社会的支援
    • 高齢者の自立支援と尊厳の保持を目的としている。
  2. 市町村の措置権の強化
    • 行政が決定する福祉サービス(措置制度)から高齢者自身の選択によるサービスが提供されるよう転換を図ったものが、現行の介護保険制度である。
  3. 予防とリハビリテーションの重視
    • 予防給付(要支援者に提供されるサービス)や地域支援事業(介護予防のプログラムの提供や定期健診など、生活機能低下の早期発見・早期対応を行う)により、要支援・要介護状態の予防及びその重症化の予防・軽減を図っている。
  4. 民間活力の活用
    • 民間事業者にも介護サービス事業の門戸を開き、民間活力の育成を促進し、介護サービスの充実を図っている。

【問題】 申請がなくても雇用者が確保することが義務付けられている勤労女性の保護対策はどれか。 (労働基準法)

正解 2

  1. 産前休業
    • 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性が休業を請求した場合、就業させてはならない。(労働基準法)
  2. 産後休業
    • 産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。請求は必要ない。ただし、産後6週間を経た女性が請求した場合には、医師が支障ないと認めた業務に就業させても良い。(労働基準法)
  3. 育児時間
    • 生後満1年に達しない乳児を育てる女性から請求があった場合、休憩時間の他に1日2回それぞれ少なくとも30分の育児時間を与えなければならない。(労働基準法)
  4. 育児休業
    • 1歳未満の子を養育する労働者は、申出により育児休業を取得できる。(育児介護休業法)

第90回

【問題】 介護保険制度で正しいのはどれか。 (介護保険法)

正解 4

  1. 保険者は都道府県である。
    • 保険者は市町村、特別区(東京23区)である。
  2. 65歳から被保険者となる。
    • 被保険者は、65歳以上の者(第1号被保険者)と40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)である。
  3. 任意加入である。
    • 介護保険は強制加入である。
  4. 介護給付を受けるには要介護認定が必要である。
    • 要介護と判定された者は、介護給付を受けることができる。尚、要支援と判定された者は、予防給付を受けることができる。

【問題】 生活保護法で扶助の対象とならないのはどれか。 (生活保護法)

正解 1

  1. 大学の授業料
    • 生活保護の教育扶助にあたるものとして、義務教育に伴って必要な教材・学用品・通学用品代、学校給食費などがある。高等学校での就学については教育扶助の範囲外であるが、2005年より高等学校での入学準備金や、通学費、学用品代、授業料(公立高校相当額)が生業扶助として支給されている。大学での就学については、生活保護の扶助の対象ではない。
  2. 出産時の衛生材料費
    • 生活保護の出産扶助にあたるものとして、出産に必要な分娩料や脱脂綿等の衛生材料費などがある。
  3. 家賃
    • 生活保護の住宅扶助にあたるものとして、家賃や地代、敷金・礼金等の準備金、家屋の改修や補修などがある。
  4. 通院医療費
    • 生活保護の医療扶助にあたるものとして、診療や薬剤、治療材料、処置および治療、手術、病院・診療所への入院、看護、移送などがある。尚、医療扶助は現物支給である。

【問題】 療育手帳の交付の対象となるのはどれか。 (知的障害者福祉法)

正解 3

  1. 未熟児
    • 妊娠の届出をした妊婦に市町村より母子健康手帳が交付される。尚、養育のため病院又は診療所に入院することを必要とする未熟児に対しては、母子保健法に基づき養育医療の給付が行われる。
  2. 身体障害児
    • 身体障害者(児)には、身体障害者手帳が申請により交付される。
  3. 知的障害児
    • 療育手帳は、福祉サービスを受けやすくする目的で知的障害者(児)に交付される。18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所が判定を行い、都道府県知事・政令指定市長が交付する。
  4. 長期療養児
    • 長期療養児やその家族に対して、保健所が療育相談や訪問指導を行っている。

【問題】 重症筋無力症患者が医療費の補助を申請する機関はどれか。 (地域保健法)

正解 2

  1. 健康保険組合
    • 健康保険組合は、従業員700人以上の企業が運営し、国が行う健康保険事業を代行する公法人である。
  2. 保健所
    • 保健所は、都道府県、指定都市、中核市その他政令で定める市又は特別区が設置する。地域保健法第6条で、保健所は次に掲げる事項について企画、調整、指導及びこれらに必要な事業を行うこととなっている。(1)地域保健に関する思想の普及及び向上、(2)人口動態統計その他地域保健にかかわる統計、(3)栄養の改善及び食品衛生、(4)住宅、水道、下水道、廃棄物の処理、清掃その他の環境の衛生、(5)医事及び薬事、(6)保健師、(7)公共医療事業の向上及び増進、(8)母性及び乳幼児並びに老人の保健、(9)歯科保健、(10)精神保健、(11)治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健、(12)エイズ、結核、性病、伝染病その他の疾病の予防、(13)衛生上の試験及び検査、(14)その他地域住民の健康の保持及び増進。重症筋無力症などの難病(特定疾患)患者の医療費補助の申請も行っている。
  3. 福祉事務所
    • 福祉事務所は都道府県と市区町村が設置し、生活保護、高齢者、児童、母子、身体障害、知的障害などに関する福祉サービスの相談やサービス開始の決定、調整などを行っている。
  4. 市町村保健センター
    • 市町村保健センターは市町村が設置し、健康相談、保健指導及び健康診査その他地域保健に関して必要な事業を行っている。

【問題】 精神保健福祉士について正しいのはどれか。 (精神保健福祉士法)

正解 4

  1. 都道府県知事が免許を交付する。
    • 厚生労働省が実施する精神保健福祉士試験に合格し、精神保健福祉士登録簿に登録をする必要があり、厚生労働大臣が精神保健福祉士登録証を交付する。
  2. 精神保健および精神障害者福祉に関する法律で業務が定められている。
    • 精神保健福祉士については精神保健福祉士法に規定されている。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神福祉法)は、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を目的とし、精神保健と精神障害者福祉について規定している。
  3. 医師の指示で診察の補助を行う。
    • 業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との連携を保たなければならず、主治医があるときは、その指導を受けなければならない。ただし、精神福祉士の業務は相談及び援助であり、治療は担わない。
  4. 精神障害者の社会復帰に関する相談援助を行う。
    • 精神保健福祉士は、精神障害者の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行う。

【問題】 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で定める1類感染症はどれか。 (感染症予防法)

正解 1

  1. エボラ出血熱
    • エボラ出血熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、ペスト、痘そうの7疾患が1類感染症(感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症)に分類される。
  2. コレラ
  3. 細菌性赤痢
  4. 腸管出血性大腸菌感染症
    • コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスの5疾患は3類感染症(感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性は高くないが、特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こしうる感染症)に分類される。
      尚、2類感染症は、結核、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ(H5N1)、急性灰白髄炎、ジフテリアの5疾患。
      4類感染症は、A型・E型肝炎、鳥インフルエンザ(H5N1を除く)、日本脳炎、ウエストナイル熱、狂犬病、マラリアなど。
      5類感染症は、ウイルス性肝炎(A型・E型を除く)、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、麻しん、風しん、破傷風、百日咳、梅毒、アメーバ赤痢、HIVなどである。

【問題】 看護記録で正しいのはどれか。 (医療法)

  1. 医療過誤訴訟の証拠書類となる。
  2. 医師の臨床的判断に有用である。
  3. 10年間は保存しなければならない。
  4. 管理は保健師助産師看護師法によって規定されている。

正解 1

  1. a,b
    • 医療過誤裁判では、全ての診療記録が証拠書類となる。また、医師の臨床的判断にも有用である。看護記録の管理は医療法によって規定され、2年間保存しなければならない。
  2. a,d
  3. b,c
  4. c,d

【問題】 保健師助産師看護師法の規定で正しいのはどれか。 (保健師助産師看護師法)

正解 2

  1. 看護師は名称独占ではない。
    • 看護師は業務独占かつ名称独占である。
  2. 罰金以上の刑に処せられた者は免許を取り消されることがある。
    • 罰金以上の刑に処せられた者、業務に関し犯罪又は不正の行為があった者、心身の障害により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの、麻薬、大麻又はあへんの中毒者は免許を取り消されることがある。
  3. 臨時応急の手当にも医師の指示が必要である。
    • 診療機械の使用、医薬品の授与、医薬品についての指示、その他衛生上危害を生ずる恐れのある行為については医師の指示が必要であるが、臨時応急の手当は医師の指示がなくてもできる。
  4. 看護師等の人材確保の促進を定めている。
    • 看護師等の人材確保の促進については、「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に定められている。

【問題】 妊娠中の女性が時差通勤を会社に申請する場合の根拠となる法律はどれか。 (男女雇用機会均等法)

正解 3

  1. 労働基準法
    • 労働基準法では、産前・産後休暇、妊産婦の時間外・休日・深夜労働の禁止、妊産婦の危険有害業務の就業制限についての規定がある。
  2. 母体保護法
    • 母体保護法は、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する事項を定め、母性の生命健康を保護することを目的としている。
  3. 男女雇用機会均等法
    • 男女雇用機会均等法は、雇用における男女の均等な機会及び待遇の確保、妊娠中・出産後の女性の健康の確保を目的としている。事業主は、妊娠中及び出産後の女性労働者から申出があった場合、通勤緩和、休憩時間の変更、休憩回数の増加、作業の軽減、勤務時間の短縮などの措置をとらなければならない。また、妊産婦は申請すれば、健康診査及び保健指導を受けるために必要な「通院休暇」を取得することができる。
  4. 育児・介護休業法
    • 育児介護休業法は、職業生活と家庭生活の両立に寄与することを目的とし、育児休業と介護休業の制度を設け、育児・介護を容易にするために時間外労働・深夜業の制限、勤務時間の短縮等の措置を事業者に義務づけている。

第91回

【問題】 母体保護法で人工妊娠中絶が認められているのはどれか。 (母体保護法)

  1. 分娩によって母親の心臓病の悪化が予測される。
  2. 育児で経済的負担が大きくなることが予測される。
  3. 新生児のHIVの垂直感染が予測される。
  4. 強姦されて妊娠した。

正解 2

  1. a,b
  2. a,d
    • 指定医師(都道府県医師会が審査・指名)は、「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」または「暴行もしくは脅迫によって又は抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
  3. b,c
  4. c,d

【問題】 職場における保健活動で作業管理に該当するのはどれか。 (労働安全衛生法)

正解 1

  1. 労働時間の把握
    • 作業管理に該当する。事業者は労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。
  2. 健康診断後の指導
    • 健康管理に該当する。事業者は労働者に対し、医師による健康診断を行なわなければならず、医師又は保健師による保健指導を行うように努めなければならない。
  3. 分煙対策の策定
    • 作業環境管理に該当する。事業者は作業環境の様々な有害要因を除去し、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。
  4. 疲労状況の把握
    • 健康管理に該当する。事業者は労働者の健康の保持を考慮して、厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、医師による面接指導を行わなければならない。

【問題】 介護保険法に基づいて貸与される用具はどれか。 (介護保険法)

正解 4

  1. 酸素濃縮器
    • 医療保険によって貸与される。
  2. 吸引器
    • 医療保険によって貸与される。
  3. 人工呼吸器
    • 医療保険によって貸与される。
  4. 褥瘡予防用具
    • 介護保険により貸与されるものは、褥瘡予防用具の他に、車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖、痴呆性老人徘徊感知器機、移動用リフト(吊り具を除く)がある。

【問題】 障害者雇用促進法では、企業や官公庁において従業員の一定数以上は障害者を雇用しなければならないとしている。雇用の対象となっているのはどれか。 (障害者雇用促進法)

正解 4

  1. 身体障害者
  2. 知的障害者
  3. 身体障害者と知的障害者
  4. 身体障害者、知的障害者および精神障害者
    • 企業や官公庁は、一定数以上の障害者を雇用しなければならない。法定雇用率は民間企業で1.8%(56人に1人)、国・地方公共団体・特殊法人などで2.1%(48人に1人)。雇用の対象となるのは、身体障害者、知的障害者および精神障害者である。

【問題】 診療報酬の算定基準となっているのはどれか。 (健康保険法)

正解 3

  1. 看護サービスの提供方式
  2. 看護職員の受け持ち患者数
  3. 看護職員の入院患者に対する割合
    • 看護職員の入院患者に対する割合が、診療報酬算定の基になっている。
  4. 看護職員の1ヶ月の夜勤回数

【問題】 精神科病棟入院中の患者が突然不穏になり、保護室への隔離が必要となった。行動制限の手続きで正しいのはどれか。 (精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)

正解 3

  1. 病棟師長の判断で行った。
  2. 病棟で診察していた内科医の指示を受けて行った。
  3. 精神保健指定医の診察後に指示を受けて行った。
    • 精神障害者を入院させている精神科病院は、常時勤務する精神保健指定医を置かなければならない。精神保健指定医の医療機関における職務は、入院が必要かどうかの判定、入院を継続するかどうかの判定、隔離や身体拘束などの行動制限が必要かどうかの判定、入院患者の診察、措置入院患者の仮退院が可能かどうかの判定などである。尚、公務員としての職務には、医療機関への移送が必要かどうかの判定、精神科病院の処遇改善のための立入検査、質問及び診察などがある。
  4. 対応した担当の看護師の判断で行った。

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